原点回帰
今年のツールドフランス
僕個人の意見なのだが、近年のツールの中で最も好きなる大会だ。
それは何故か??
"人間らしさ"が際立つ大会になっているから!
"人間らしさ"とは一体なんだろうか?
近年のツールドフランスで最強という言葉を嫌なほどファンや選手達に叩きこんできたチーム イネオス(旧チームスカイ)。
その最強チームに綻びが生まれてきた。
絶対的エース、クリス フルームの移籍、各エース級選手の不調や調整不足にチームのスポンサーの財政問題‥ 近年、このチームにここまで悩みの種があっただろうか?
そして、ツールドフランスが開幕してからは
予想以上に強すぎるライバルチームの存在など、不調に更に拍車を掛ける事態に。
昨年度の若きツール覇者、ベルナルは背中の痛みもありリタイア。
チームはここ5年ではありえない、ステージ優勝という目標に切り替えた。
そして、昨日のステージで彼らは原点回帰した。真のロードレースを魅せてくれたのだ。
スタート直後のアタック合戦で逃げ集団に
イネオスは有力な選手を2人送り込むことに成功。
リチャル・カラパス(エクアドル)
ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)
の2人だ。
カラパスは昨年度のジロデイタリア覇者。
クフィアトコフスキは2014年の世界チャンピオンであり、数々のクラシックレースを勝っている現役最高のアタッカーの1人だ。
その2人は協調し、なんと最後まで逃げ切るというロードレースらしい、美しく情熱的な勝利を手に入れた。チームでワンツーフィニッシュ。
2位のカラパスは今年からチームに合流した選手。数ヶ月でこれほどの友情を育んだこともまた称賛に値する。
総合系チームから脱落してしまった、チーム イネオスはこうしてアグレシッブに走り、ファンを虜にするような真のロードレースへと原点回帰した。
今年のツールドフランスはまだ終わっていない。遅れての開催だったが、間違いなく素晴らしい大会として語り継がれるだろう!