復権となるか?

日本のサイクリストもおそらくは知らない人はあまりいないであろう、アパレルメーカー。

Rapha ラファ"

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シンプルなデザインかつ機能にも優れたこの英国メーカーはもはや知名度抜群のメーカーに成長したが、歴史は意外にもまだ浅い。

しかし、このチームは良くも悪くも”あのチーム”の名前が付いて来てしまう。

“チーム スカイ”

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これもまた言わずと知れた、世界最強と名高いトッププロチーム。

あまりの強さ、パワーメーターを用いてのレース展開(これは諸説あるが)そして、圧倒的な資金力。

淡々と走るその様は、まさに”サイボーグ”とまで揶揄された。

僕が自衛隊に在籍していたとき、2013年シーズンからはラファとスカイがパートナーシップを結ぶというニュースには大変驚いた。前年のツールにおいて、スカイは科学力と資金力を見せる走りをして話題になったからだ。

逆にラファのイメージはクラシックで普通のアパレルでいう、ラフな普段着に近い親しみ易いイメージ。

最先端技術の塊のようなチーム スカイと
クラシカルで親しみ易いイメージのラファ。真逆だ 笑


そうは思いながらも、スカイとラファのコンビはその後も多くの方が知る通り、
圧倒的な走りを見せ、成績を残し続けた。むしろ、このパートナーシップによって
ラファの知名度は更に向上したと言っていい。


だが、僕個人ではあまりに膨大な資金力を背景にレースを支配する戦略をするチーム
スカイにあまり好感が持てなかったが本音だ。

そこは本場ヨーロッパも同じであり、
スカイは強さの割にはイマイチ、人気には掛けていたらしい。

問題はレースの成績に固執するあまり、
ファンとの距離感が遠く、親近感が保たれなかったとか。プロとして成績を残すのが仕事だが、スカイはそれをあまりにも重視するが故に、ファンとの交流が難しい状況だった。

その点においてはラファのCEOも不満だったとインタビューで答えていた。


そして、2016年シーズンでその関係は終わった。これには僕もびっくり!
イギリスチームとイギリスメーカーが
袂を別つとは‥


そして、2年の空白の時間が過ぎ、ラファは再び表舞台に。


“EFエデュケーションファースト・プロサイクリング”とパートナーシップを締結したのだ。

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ご存知の通り、EFのイメージである
ピンクを前面に押し出しながらも、ラファのクラシカルかつ”お洒落”なイメージも決して崩してはいない。
プロトン(集団)の中で1番目立つチームに違いない。

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このチームを選んだ背景には、ロードレースにおける市場価値の変化が挙げられる。

“ただ勝つ”だけではなく、”ファンとの交流”などのサービスやコンテンツを充実させていくのが、チームにも利益をもたらすと。

現に圧倒的な力を誇ったチームスカイがまさかの2020年末にスポンサー撤退というニュースが駆け巡り、世界中のファンを動揺させてしまった。

チームの強さや力だけではなく、チームや選手の魅力を発信することも非常に重要になってきているのだ。

その点において、そういったサービスや情報発信を任せされるとラファが判断したプロチームがEFだった。

これもまた時代の変化なのかもしれない。

今年、ラファとEFのコンビは、かつての
スカイとラファの栄光を全てにおいて超えるべく戦う。

ラファ、今年新たなパートナーを得て
復権”となるだろうか‥ ?